店主よりご挨拶

大月酒店は高品質なビールをリーファーコンテナでベルギーより直輸入しています。

大月酒店

店主よりご挨拶

ベルギービールを販売させて頂くに際して弊社の基本方針

下面発酵のビールの大半は醸造後の早い期間の鮮度を以って良としますが、ベルギー産に多々見受けられる上面発酵のビール、特に瓶詰め時に酵母と糖類を加えて 瓶内熟成を希求する瓶ビールは飲み頃を判断するのが困難であり、面白みでもあります。

弊社としては最たる嗜好品である酒類(特に醸造酒)の香味風味色調に関する固定的な御説明や御案内は回避すべきであると考えますが、 全くの未案内では「?」なビールとの御想像すら不可能との事で、瓶詰め後の初期段階での大まかな特徴を記しております。
何卒、この状況をご理解の上でご参照くださればと願ってやみません。

又、お客様自らのご判断と保管場所で熟成されたビールの御賞賛の御意見をお聞かせ願えれば幸いと考えております。

当ホームページでのカナ表記について

外国語を日本人的発音でカナ表記する難しさを痛感していますが、当ページでは出来る限り現地人から聞き取ったままに記載しています。
と申しましてもイントネーションまでは表現できず、将来的には現地で録音してきて実際をお聴き頂いて皆様に判断して頂く計画を立てています。

勿論、フラマン語圏とワロン語圏では人選に注意して其処に住む人々から聴き取る積りです。世に英語圏の人の発音が出回ったりして混乱に拍車が 掛かっている気もします。
別に、仮名表記の違いがビールの味を変える事があるとは思いませんが、現地で耳にした印象も味わいの内かと思っている 次第ですので取り上げてみました(あくまでも私の未熟で不確かな聴力に拠ります)。

アルファベット表記(例) 弊社表記(例) 一般的表記(例)
Hoegaarden ホーガルデン ヒューガルデン
Duvel ドゥブル デュベル
Gouden Carolus ハウデン・カロールス グーデン・カロルス
Boon Geuze ボーン・ヒューズ ブーン・グーズ

「リーファーコンテナとチルド(クール)宅配便」

従来より気温が上昇して来ますと毎年思い悩んで居りました事がございます。

当社はアントワープ港(船便の都合で、時にはロッテルダム港)からリーファーコンテナ使用を船社に指定(庫内温度15℃)してベルギービールを輸入して参りました。
20フィート(長さ約6M)の冷蔵コンテナはドライ(一般)コンテナに比べて凡そ15万円ほどの、余分な出費となりますが熱に因る品質劣化を回避するには避けられない選択でした。

一昔前、未だコンテナ専用船が世に無い頃は貨物船が全盛であり荷役作業も稚拙でした。甲板の下に在る船倉内で尚且つ喫水線より下の部分は周囲の海水温と同じだそうです。「船社にコネが有ってアンダーデッキの最下部に積込みを頼めるのでリーファーは無用」と、ワインの輸入元が自社製品のワインに関して状態が良好な理由として豪語されていましたが、良き時代は過去の話で今のコンピューター化時代にはその様な情実が介入出来ません。

それに、現在は超巨大専用船が船底から船橋(操船室)に近い高さまでコンテナを積上げ、ハブ港まで一気に大量に運ぶシステムが世界の海運業界の常識となっています。其のコンテナ船には船首部を除けば甲板は存在しません、雨も波も排水ポンプが汲み出します。ですから、アンダーデッキ神話は過去の話か、港湾設備が貧弱な国への場合のみになります。航海中の熱射も大敵ですがハブ港で待機中の日々に炎天下に野積みされた鉄箱内は灼熱です。経由する事もある東南アジア最強規模のハブ港歴史を誇る赤道直下シンガポール港では、コンテナ鉄板上で瞬時に目玉焼きが出来ると言うほどの強烈日射だそうです。我々がベルギーへ行く場合はアムス、パリ、フランクフルト等のハブ空港経由で乗換えます。航空機の場合は長くとも数時間待ちですがコンテナ海上輸送待機は数日間掛かります。 日本の港湾整備が遅れる中で、釜山新港や上海沖に新設の洋山新港等に桁違いの規模の、コンテナ専用埠頭が新設され利便性から益々日本直行便は間違いなく姿を消しつつあります。 リーファーコンテナの場合はハブ港で待機中も電源が確保された専用地域に置かれます。又、日本の港に陸揚げ後も通関待ちの数日、普通コンテナは保税地に日曝しで積上げられます。

しかし当然ですが、リーファーコンテナは此処でも温度保持の処置が採られます。と言うわけで、当社は海上輸送に関しては耐熱対策には絶対の自信を持っております。入港後に保管する当社BB倉庫内は10馬力2基の冷房機器で真夏でも16~18℃を維持しております。尤も、この温度設定は本来は冷涼な現地の自然熟成環境状況を参考にして考慮しております。

しかし、どうしても矛盾点が解決出来ませんでした、以下に続きます。
麗らかな桜の季節が飛ぶ様に去り、数週間は不安定な温度変化で体調も崩し易い時期でした。しかし、ゴールデンウィークを越えますと一気に初夏と言うか夏日の到来で半袖姿が目立つ様になります。梅雨明けの真夏に比べれば、未だ酷暑とまでは申せませんが 日向の車内温度は半端ではありません。毎年の如く報道される忌まわしい幼児の車内置き去り事故は何よりも其の過酷な環境を物語っています。

当社は酒類小売業も営んでおりますので、全国各地から宅配便を利用した商品が配達されて来ます。
クロネコ便や佐川急便等の大手以外にもあらゆる運送業者が出入りしていますので、彼等ドライバー達に訊ねたところ全員が夏場日中の貨物室内は50度以上あるだろうと申します。運転席はクーラーで守られていますが、大事な荷物は劣悪な環境で市中引廻しの刑に処せられます。
但し、当社の小売部門の場合は朝の8時過ぎには開店しておりますので彼等配送業者は逸早く済まそうと、朝一番に当店前で開門を待っていたりしますので絶対の灼熱地獄通過とは断言出来ませんが、、、。

そこで当社管轄クロネコ便の所長に営業所の配送業務の段取りと実情を説明してもらいました。全国各地其々に因って諸々の地域事情が異なるので一概には申せませんが参考にはなります。
早朝に着いた荷物を仕分け係りがルート別に選別し、出社したドライバーが車に積み込み出発。午前中着指定の荷物を最優先しますが、時間指定無しの荷物も積むのは当然の事だそうです。担当区域内を配達しながら、一般客からの集荷依頼電話に対応し昼食まで営業所に帰りません。真夏ともなりますと午前中でも配送車の荷物室内温度は想像を絶する拷問部屋と化しております。 遅い昼食後に積んで出るのは午前中に不在だった届先分と夕刻6時までお届け指定の荷物です。初夏午後の、炎天下とまで申さずとも輝く太陽に焼かれた非冷蔵車内は生物生存は不可と言えます。

では、夕刻6時以降お届け指定の荷物は如何に対応されているのかを訊ねてみました。全国各地其々に因って諸々の地域事情が異なるので一概には申せませんが、当日の遅番担当者が夕刻より未届荷物を積み込んで当日の最終業務に出発します。お届け時刻を夕刻以降にしておけば日中の炎天下走行は少しは避けられそうですが(真夏の5時は暑い)、 営業所内の保管場所は雨が掛からない事を前提にしているだけで日照は全く考慮しないそうです。
最悪の場合、大事なビールが日当たりの良過ぎる熱射刑場に放置される事態となります。勿論、クール指定荷物は営業所内の冷蔵庫で保管されるのでその様な心配から逃れられます。当然とは言え、当社なりに重い負担を覚悟で輸入時及び保管経費増を費やしているのに、商品の最終移動時に最悪の問題が生じる事を見逃す事は出来ない、と確信致しました。

最早や、温暖化等と言う生易しい夏場ではない我国に於ける物流は発想の転換を要します。
当社は熱劣化が有り得ると思われる季節にBBを宅配業者に依頼して地方発送を行う場合、事前了承を得る事無く、所謂、クール便を利用致します事をご了承下さい。
お手元に届いたビールの保管は日陰の涼しい場所であれば冷蔵庫の必要は無いと考えます。
生魚や肉の様な生鮮食料品ではありませんので、、、

但し光は出来るだけお避け下さい。あくまでも日中の照付ける太陽の下を走り回る鉄の箱内の異常高温が怖いだけです。
冷えた状態でお届けしたビールが室温に戻ります際に当然の如く温度差から、汗を掻いた様な状態になりラベルが傷んだりしますので扇風機の風などを当ててやって下さい。